ご紹介頂いたお客様のお庭を、初めて伺いました。
ツバキ、サザンカ、カイドウを中心に、イロハモミジ、紫陽花、ツツジ等、昔ながらの日本の風土に合った植木が配置されています。お客様は大変植木がお好きで、今までお手入れはご自分でこなされていたとのこと。
今回初めて植木屋にお手入れを依頼された理由として、
・手の届く低い処は自分で鋏を入れてきたが、植木が大きく成り過ぎて、ご自分では手に負えなくなった。
・植栽スペースが塀で囲まれた敷地の北西角、家屋の裏側に位置しており、剪定した後の枝は、家屋の中を通らないと搬出出来ない。
・脚立を所持してはいるが、作業時の後片付けが面倒。
・毛虫が出る時季は解っていても、何をどうしていいのか今一つよく分からない…!?
この際、思いきって枝を切り詰め、ご自分でお手入れが出来るくらいの大きさにしてほしい! とのご依頼で作業を行いました。
主木となっていた サザンカは2階の屋根に迄迫る勢い。
強く大きくなった枝を伐採し、若く元気な枝に取り替えました。更新作業です。
自然な樹形を保ち、今後は脚立がなくてもご自分でも枝先の剪定が出来る大きさに作り替えです。
カイドウは2年目以降の枝を極力残し、可能な範囲で間延びした枝を切り戻し樹高を下げました。今後、花芽をつける枝を選別して充実させていくための第一歩です。
ツバキは例年チャドクガの幼虫の葉の食害に悩まされていた模様です。大量に発生した際には思わず枝葉をバッサリとやってしまいがちですが、緑があっての樹木です。枝を落としすぎて丸坊主にしてしまっては株が弱ってしまい、お花を付けるどころではなくなってしまいます。チャドクガの習性を詳しく理解しなくても大丈夫です。発生するのは年に2回、おおよそ、①春:ゴールデンウィーク前後。②秋口:8月の後半〜。理想は、毛虫の発生を未然に防ぐ事。
ホームセンター等で購入できる「オルトラン粒剤」を根元から少し離れた地面に適量すきこみましょう。又はオルトラン液剤を500倍に薄めて散布。オルトランは浸透残留タイプの殺虫剤です。葉から(根から)薬剤を吸収後に残留し葉を食べた(樹液を吸引した)害虫が死滅する仕組みです。散布後2〜3日好天が続くタイミングであれば、効能期間が1月半程持続するとされています。
毛虫が発生してしまった場合でも、オルトランは即効性も勿論ありますので散布しましょう。毛虫用のスプレー管でも大概の殺虫剤で駆除出来ますので早めの散布をお勧めします。
チャドクガの幼虫による皮膚への被害についてです。生きた毛虫の毛先が肌に触れると、アレルギー反応の強い方はかなり悲惨な状況に被れてしまいます。薬剤散布により死滅した、又は成虫となった後の亡骸の毛でも毒性は残ります。散布後、葉に亡骸が酷い状態の場合には、枝葉を切除して処分した方が良いかと思います。
万一、被れてしまった場合には、ドラッグストアーで購入出来る「ムヒアルファー」等の軟膏薬の塗布がお勧めです。良く汗を流した後に処方すれば一晩で腫れは引きますし、2〜3日で殆ど完治出来ると思います。症状の程度は人によりけり、心配であれば皮膚科を訪ねて下さい。。但し、皮膚科で処方される軟膏薬は大概、メントールが入っておらず、勿論効くのですが、あの清涼感はなく、痒みの不快感が継続してしまうと思われます。
今回、お客様ご自身が庭木のお手入れを楽しむ上で障害となる問題を解消するお手伝いをさせて頂きました。
本日も有り難うございました。