銀色がかった青みの葉が美しい五葉松 のお手入れを行いました。
ゴヨウマツは マツ科マツ属の針葉常緑樹。
主な特徴
- 黒松や赤松が1か所から2本の針葉を出すのに対して、五葉松は5本で1束の針葉が出ます。「五葉松」の名前の由縁です。細かい枝をたくさん形成するので非常に枝葉密度の高い松です。
- 赤松、黒松同様に古くから庭木として用いられています。
- 暑さ寒さに耐え、乾燥に強く、日向、水捌けの良い土壌環境を好みます。
- 自生のゴヨウマツは、平地では15~20mの大木に、寒風の吹き荒れる高地の風衝地帯においては人の背丈ほどにしかならないそうです。両者に相違はありますが、過酷な環境下でも生育可能な強健種であることは間違い無いようです。
- 赤松、黒松に比べて樹齢が長い。
これらの特性に加え、枝質が柔らかく弾力性があるため、ワイヤー等を用いた誘因作業が容易なことから、盆栽としても大変人気があるんですね。
また、成長が遅い為、大きな規格になると非常に高価な庭木となります。
更に、大きくなればなるほど細かい枝葉が多いため、手入れには手間がかかります。
お手入れの時期と方法
赤松・黒松同様に、4月中旬頃から緑(新芽)が出始めます。5月初旬頃が「緑摘み」の適季です。まだ柔らかいのでポキポキと手で簡単に折ることができます。6月にはいるとハサミで切り取ることになります。葉が開きある程度固まってくるのが7月頃です。「緑摘み」の目的は、樹形が乱れないよう徒長した勢いのある芽を摘み取ると同時に、枝数を増やしたり、欲しい箇所に枝を伸ばしてあげたりと、仕立てる際に行う作業です。
開いた今年の新芽がしっかりと固まり、昨年以前の古い葉がパラパラと落ち始める 11月~翌年1月後半位までが「揉み上げ」作業の適季です。松は日照を好みます。古い葉を扱き取り除くことでスペースが生まれ、枝の中まで光が届くようになります。葉の混み過ぎによる病害虫被害の予防としても効果的です。樹形を乱した枝の剪定や枝抜き作業と同時に行うのが一般的です。
盆栽や小さな株では、年に2回のこれらの作業が基本になります。
お客様の五葉松のお手入れです。
樹高は約6m, 葉張りが3m。門かぶりの挿し枝だけで凡そ 4m。 中々お目にかからない大きく立派なゴヨウマツです。
大きくて細かい枝が大量に有るので、年に2回のお手入れではかなりの労力です。ですので、年に1度のお手入れのお手伝いを承っております。
年に1度のお手入れで済ます場合には、新芽の固まり始めた7月か、酷暑期の8月を避けて 9月以降が良い時期です。翌年4月迄は大きく枝が伸長することが無いわけですから、綺麗な樹形を長く維持出来る最も合理的なのが9月 ということになります。
樹形を乱した勢いのある枝
の剪定と共に古い葉を新梢を痛めないよう程々に扱き取ります。
作業がし易い様に姿勢を変えながら丸1日掛かって大きな玉では精々一人で4~5玉終えられれば御の字です。
頭越しに、龍の尻尾のように見えるのが、挿し枝です。
地道な作業が完了し、お客様にご満足いただけた時、何とも言えない充実感です。
本日も有り難うございました。