植木屋の仕事では、杉の丸太や板材の表面を焼いて使用する事が結構有ります。 例えば、竹垣を造成する際の柱。 衝立やフェンス。 植樹時に土壌を嵩上げしたい時の枠材や間仕切り材 等々。
焼く事による効果を改めて調べてみました。目的は大まかに2つ。
(1) 杉材を外で用いる際(土の中に埋め込むも含め)、表面を焼き、炭素化して腐る原因の腐朽菌の侵入を防ぐ。 (2) ざらついた表面を滑らかにし、節を浮き立たせることで美しさが増す。
(1)の耐久性に関して、現在では木炭化から各種防腐剤の塗布が主流となりましたが美しさにおいては今一つ。 焼杉は先人の方々の建築や造園に於ける耐久性と美を兼ね揃えた知恵ということになるのでしょうか。
ガスバーナーで表面を焼きます。
焼き加減によって色のコントラストや木目が強調されます。 内装で使用するにはこれくらいの焼き加減でも使用出来そうです。
外で使用するのであれば表面が木炭となるようしっかりと焼きます。 このままでも防腐効果的には充分使用出来ますが、美しさを求めるのであれば焼いた表面に磨きをかけます。
鉄ブラシ等で木目に沿って磨いてあげると、硬い節目は残り、柔らかく炭素化した部分が削り取られるので、節が強調され美しい仕上がりとなります。 余り強く削り落としてしまうと折角の炭がなくなり生木に戻ってしまうので良い塩梅で行います。
また、木目に直角にブラシを入れると美しさが損なわれてしまいますので注意が必要です。
更に防腐剤を塗ります。 ホームセンターや通販で様々な色合いのオイルステインが購入出来ます。 今回は、水性の防虫・防腐ステインを初めて使用してみました。 オイルステインよりもやや粘土が高く、塗りずらい印象でしたが、オイル特有の匂いとベタつき感がないので作業性は良いように感じました。 一度目から3時間後に2回目を塗って終了です。 写真ではわかりずらいですが、近くで見ると木目が浮き出て非常に美しい仕上がりです。 本日も有り難うございました。
2021.03.15
2020.01.29
2019.01.05